
臨床工学技士は、医師、看護師、臨床検査技師
理学療法士、作業療法士等と同じく
医療系国家資格です。
臨床工学技士の誕生
近年の医療技術の進歩は目覚ましく、それを支えているのが医療機器です。医療機器の進歩とともに多くの患者さんの命が救われるようになりました。しかし、それらの医療機器は発達すると同時に複雑で専門的なものになり、安全な医療を提供するためには、様々な医療機器を正確に操作できる人材が必要となりました。このような背景から、医療機器を安全かつ適正に扱うことができる専門技術者の必要性が高まり、1988年に国家資格として『臨床工学技士』が誕生しました。
代 表 的 な 業 務

人工心肺装置を用いた業務
臨床工学技士は手術室など医療現場の最前線でも活躍します。 心臓の手術を行うには一時的に心臓の動きを止める必要があります。その時に使用する人工心肺装置は心臓と肺を代行する装置です。手術時間中(6~8時間)人工心肺装置を操作し、患者さんの命を守る臨床工学技士は手術室に欠かせない存在です。

人工呼吸装置を用いた業務
事故などによる呼吸停止や手術により自力で呼吸のできない重症の患者さんに対し、人工呼吸装置の装着、異常がないかの確認など、様々な医療機器を操作し、生命維持管理を行います。また、緊急時の使用に備え人工呼吸装置のメンテナンスも行います。

人工透析装置を用いた業務
近年、日本人の食生活の欧米化などが原因で糖尿病患者数が増加し、糖尿病が原因で腎臓を悪くしてしまう人の数も年々増加しています。腎臓の機能が低下すると体内に溜まった毒素を排泄できなくなるため、透析治療を行わなければなりません。臨床工学技士は透析装置の準備、操作を行います。また、透析中は時間ごとに患者さんの状態及び透析装置を点検し、安全に透析が行われているか確認します。

医療機器を管理する業務
近年、医療機器は目覚ましい発展を遂げており、高度な医療機器を正しく操作することで多くの命が救われます。しかしながら昔と比べ医療機器の操作も複雑になり、誤った操作を行うと、逆に患者さんの健康を脅かす恐れもでてきます。そこで、臨床工学技士が病院全体の医療機器を集中管理し、保守・点検を行い、病院内の安全性を確保します。